FDTD法を用いた電磁界・サージ解析のための吸収境界条件の高性能化
FDTD法を用いた電磁界・サージ解析のための吸収境界条件の高性能化
カテゴリ: 部門大会
論文No: 79
グループ名: 【B】平成19年電気学会電力・エネルギー部門大会講演論文集
発行日: 2007/09/12
タイトル(英語): Improvement of an Advection-Equation-Based Absorbing Boundary Condition for FDTD Calculations of Electromagnetic Fields and Surges
著者名: 岡澤光起 (同志社大学),馬場 吉弘(同志社大学),長岡 直人(同志社大学),雨谷 昭弘(同志社大学)
著者名(英語): Koki Okazawa(Doshisha University),Yoshihiro Baba(Doshisha University),Naoto Nagaoka(Doshisha University),Akihiro Ametani(Doshisha University)
キーワード: 時間領域有限差分法|吸収境界条件|電磁界|サージ|FDTD method|absorbing boundary condition|electromagnetic field|surge
要約(日本語): FDTD法を用いて自由空間あるいは半自由空間に存在する導体系の電磁界・サージ解析を行う場合、その導体系を含む解析空間を、入射してきた電磁波を吸収するあるいは反射波を生じない仮想的な壁あるいは面で囲む必要がある。このような壁あるいは面を吸収境界壁あるいは面と呼び、それを実現する条件を吸収境界条件という。これまでに様々な吸収境界条件が提案されているが、それらは仮想的な損失媒質に基づく吸収境界壁と移流方程式に基づく吸収境界面とに大別される。前者に属するPMLは最も精度が良いことで知られている。しかし、仮想的な媒質の層数、導電率、磁気伝導率の選定に経験を要し、試行錯誤の過程が必要となる。後者に属するMurの条件やLiaoの条件は、比較的簡易であるためサージ解析分野においては特によく用いられている。しかし、一般にPMLに比べて精度が低く、解析領域にある程度の反射波が戻ってきてしまうため、その影響が小さくなるように不必要に広い空間を確保しなければならないという欠点がある。
移流方程式に基づく吸収境界条件が反射波を生じる原因としては、これらの条件が、入射電磁波は減衰することなく空間を伝搬するという仮定に基づいているためであると考えられる。したがって、解析空間を広くとり、解析対象の導体系と吸収境界面との距離を大きくした場合には、吸収境界の手前の1セル分の伝搬による減衰分は小さくなり、電磁波伝搬が移流方程式で良好に近似されるため、高精度の計算が可能である。しかし、解析空間が小さい場合には、吸収境界の手前の1セル分の伝搬による減衰分が比較的大きくなり、移流方程式の近似が適当ではなくなってしまう。
本研究では、上述の観点に基づき、吸収境界面近傍での電磁波の減衰を考慮した移流方程式に基づく吸収境界条件の提案を行い、それを二次元円筒座標系におけるFDTD計算に適用し、その妥当性について検討を行った。
PDFファイルサイズ: 385 Kバイト
受取状況を読み込めませんでした
