振戦を再現可能な筋電義手の開発と生体模倣性の評価

カテゴリ: 部門大会

論文No: MC7-7

グループ名: 【C】2022年電気学会電子・情報・システム部門大会

発行日: 2022/08/24

タイトル(英語): A Myoelectric Prosthetic Hand Capable of Reproducing Human Tremor and Evaluation of Its Biomimetic Properties

著者名: 熊谷 遼（広島大学）,古居 彬（広島大学）,城明 舜磨（広島大学）,阪井 浩人（広島大学）,辻?? 敏夫（広島大学）

著者名(英語): Ryo Kumagai (Hiroshima University),Akira Furui (Hiroshima University),Shumma Jomyo (Hiroshima University),Hiroto Sakai (Hiroshima University),Toshio Tsuji (Hiroshima University)

キーワード: 生体信号処理|生体模倣|人工振戦|筋電位信号|確率モデル義手|Biological Signal Processing|Biomimetics|Artificial Tremor|Electromyogram (EMG)|Stochastic ModelProsthetic Hand

要約(日本語): 上肢切断患者に処方される筋電義手において，その挙動の人間らしさは重要な要素であり，ハード・ソフトの両面で研究が行われている．しかし，振戦と呼ばれる人体の不随意的な生理現象は，これまで義手の制御に導入されてこなかった．本研究では，筋電位信号の確率的性質に基づいて振戦を人工的に生成し，義手制御に応用することで，振戦を再現可能な生体模倣筋電義手の実現を目指す．提案法により生成される人工振戦は，随意動作時に発生する動作時振戦成分と，不随意的な機械反射に由来する生理的振戦成分から構成される．各々の振戦成分は筋電位信号の分散分布から推定・生成され，それらの足し合わせを義手の制御指令に重畳することで，振戦を伴う義手制御を実現する．実験では，義手制御に導入した人工振戦と人体の振戦を計測し，両者の振幅・周波数特性を比較した．その結果，筋電義手において人体の振戦を模倣した動作が可能であることを示した．