生体内電源の開発に向けたゲルネットワークの電気特性に関する研究

カテゴリ: 部門大会

論文No: TC3-4

グループ名: 【C】2022年電気学会電子・情報・システム部門大会

発行日: 2022/08/24

タイトル(英語): Research on the electrical properties of gel networks for the development of biological batteries

著者名: 本郷 光太郎（東京工業大学）,彭 祖癸（東京工業大学）,榛葉 健太（東京大学）,宮本 義孝（国立成育医療研究センター）,八木 透（東京工業大学）

著者名(英語): Kohtaro Hongo (Tokyo institute of technology),Peng Zugui (Tokyo institute of technology),Kenta Shimba (The University of Tokyo),Yoshitaka Miyamoto (National Center for Child Health and Development),Tohru Yagi (Tokyo institute of technology)

キーワード: 液滴界面二重層|脂質二重膜|ゲル|パッチクランプ|膜タンパク質電源|DIB (Droplet Interface Bilayer)|Lipid bilayers|Gel|Patch clamp|Membrane proteinBattery

要約(日本語): 生体内で使用する電源には生体適合性，機械的柔軟性が求められる．これらの条件を満たす技術に液滴界面二重層（DIB）を用いた発電方法がある．この方法ではリン脂質中で2つの濃度の異なるNaCl液滴を結合させて，その間に形成された脂質二重膜に陰イオン選択性の膜タンパク質を挿入することで，Naイオンの流れを制御して電流を生成する．しかしDIBは外的刺激に弱く，陰イオン選択性の膜タンパク質は合成が難しいという欠点をもつ．そこで我々は，液滴の代わりに剛性の高いゲル，陰イオン選択性の膜タンパク質の代わりに容易かつ安定的に合成できるカチオン選択性ゲルを使用して電流の生成を試みる．本研究ではその前段階として，リン脂質中で同一ゲルを複数個結合させて電気計測を行った．その結果，ゲル間の脂質二重膜へ膜タンパク質の挿入を示す電流を計測できた．これによりリン脂質中におけるゲルの電気的なネットワークの形成を示唆できた．